情報公開法第五条第四号

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開示決定等に関する審査基準

(平成十三年四月)

情報公開法第五条第四号(公共の安全等に関する情報)

公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報

1. 第四号の中の個々の概念の意義
(1) 「犯罪の予防」とは、犯罪の発生を未然に防止することをいう。なお、国民の防犯意識の啓発、防犯資機材の普及等、一般に公にしても犯罪を誘発し、又は犯罪の実行を容易にするおそれがない防犯活動に関する情報については、本号に該当しない。
(2) 「犯罪の鎮圧」とは、犯罪が正に発生しようとするのを未然に防止したり、犯罪が発生した後において、その拡大を防止し、若しくは終息させることをいう。
(3) 「犯罪の捜査」とは、捜査機関が犯罪があると考えるときに、公訴の提起などのために犯人及び証拠を発見・収集・保全することをいう。犯罪捜査の権限を有する者は、刑事訴訟法によれば、検察官、検察事務官及び司法警察職員であり、司法警察職員には、一般司法警察職員と特別司法警察職員とがある。
(4) 「公訴の維持」とは、検察官が裁判所に対し、特定の刑事事件について審判を求める意思表示をすることを内容とする訴訟行為を公訴の提起というが、この提起された公訴の目的を達成するため、終局判決を得るまでに検察官が行う公判廷における主張・立証、公判準備などの活動を指す。
(5) 「刑の執行」とは、犯罪に対して科される制裁を刑といい、刑法第二章に規定された死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料、没収、追徴及び労役場留置の刑又は処分を具体的に実施することをいう。保護観察、勾留の執行、保護処分の執行、観護措置の執行、補導処分の執行、監置の執行についても、刑の執行に密接に関連するものでもあることから、公にすることにより保護観察等に支障を及ぼし、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報は、本号に該当する。
(6) 「公共の安全と秩序の維持」とは、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持及び刑の執行に代表される刑事法の執行を中心としたものを意味する。刑事訴訟法以外の特別法により、臨検・捜索・差押え、告発等が規定され、犯罪の予防・捜査とも関連し、刑事司法手続に準ずるものと考えられる犯則事件の調査、独占禁止法違反の調査等や、犯罪の予防・捜査に密接に関連する破壊的団体(無差別大量殺人行為を行った団体を含む。)の規制、暴力団員による不当な行為の防止、つきまとい等の規制、強制退去手続に関する情報であって、公にすることにより、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるものは、本号に含まれる。また、公にすることにより、テロ等の人の生命、身体、財産等への不法な侵害や、特定の建造物又は情報システムへの不法な侵入・破壊を招くおそれがあるなど、犯罪を誘発し、又は犯罪の実行を容易にするおそれがある情報や被疑者・被告人の留置・勾留に関する施設保安に支障を生ずるおそれのある情報も、本号に含まれる。一方、風俗営業等の許可、伝染病予防、食品、環境、薬事等の衛生監視、建築規制、災害警備等の、一般に公にしても犯罪の予防、鎮圧等に支障が生じるおそれのない行政警察活動に関する情報については、本号ではなく、第六号の事務又は事業に関する不開示情報の規定により開示・不開示が判断されることになる。
(7) 「・・おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」
公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧、捜査等の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報については、その性質上、開示・不開示の判断に犯罪等に関する将来予測としての専門的・技術的判断を要することなどの特殊性が認められることから、国の安全等に関する情報と同様、司法審査の場においては、裁判所が、本号に規定する情報に該当するかどうかについての行政機関の長の第一次的な判断を尊重し、その判断が合理性を持つ判断として許容される限度内のものであるか(「相当の理由」があるか)否かについて審理・判断するのが適当であり、このような規定振りとしているものである。

2. 第四号に定める不開示情報への該当性の審査に当たっての基本的考え方
(1) 公共の安全と秩序を維持することは、国民全体の基本的利益を擁護するために政府に課された重要な責務であり、本号では、刑事法の執行を中心とした公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報は、不開示とする。
(2) 諸外国における「公共の安全と秩序」の維持に支障を及ぼすおそれがあると考えられる情報についても不開示とする。

3. 第四号に定める不開示情報に該当する可能性が高い情報の例又は類型例
 第四号に係る情報の開示/不開示に係る決定は、特定時点の状況に応じ変わり得るものであり、外形的な類型などを指定する等により、不開示とすべき情報を予め網羅的に列挙しておくことは適当でない。第四号に掲げる不開示情報に該当する可能性が高いことから開示/不開示の決定に当たっては慎重に審査する必要があると考えられる情報の類型及び例を以下に掲げる。
 なお、個別の情報の具体的な内容等によって、他の不開示情報にも重複的に該当するものが存在することに留意しなければならない。
(1) 公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査に支障を及ぼすおそれのある情報
・捜査のための照会・回答に関する情報
・犯罪の手口、捜査に関する詳細な情報40
・要人の行動に関する詳細な情報(警護に関する情報を含む。)
・行政機関の施設、設備に係る警備に関する詳細な情報41
・行政機関の運営する情報システムのセキュリティに関する詳細な情報
(2) 公にすることにより、公訴の維持に支障を及ぼすおそれのある情報
・訴訟に関連した照会・回答に関する情報
(3) 公にすることにより、刑の執行に支障を及ぼすおそれのある情報
・刑の執行施設に関する詳細な情報
(4) 上記(1)~(3)の他、公にすることにより、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのある情報
・武器、弾薬、放射性物質等の保存場所、保存方法、輸送に関する情報
40 外国で発生した事件に関する情報等が含まれる。
41 本省、在外公館、公邸等の見取り図等の図面が該当し得る。

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