7月24日(木)、東京工業高等専門学校にて「デザイン工学」(授業科目名)の成果発表会を開催しました。この授業は、「COMPASS 5.0」ロボット分野の拠点校としてSIer(システムインテグレータ)人財育成を目指した取り組みの一環で、東京高専が独自に開発した教材『ロボットシステム統合化開発演習』を用いた演習主体の科目です。
最終回となるこの日は、学生たちが試作と改良を重ねて完成させたシステムの実機デモや、シミュレータ・GUIなどの成果を発表しました。
授業では、単なるモノづくりにとどまらず、プロジェクトマネジメントの手法に則った開発プロセスの習得にも重きを置いています。今年度の課題は、自動倉庫を想定した「商品の出庫・搬送・検査システム」の実装。具体的には、以下の技術要素を統合するシステム開発が求められました。
- AIによる画像認識技術を用いて、2種類の物体を識別・検査するシステム
- 自動で物体をピックアップ・搬送するロボットシステム
- 自己位置推定機能を持つ2〜3台の移動ロボットによるマルチエージェント連携制御
- Unityを用いた可視化シミュレータ上でのシステム統合(サイバーフィジカルシステムの構築)
教材としては、卓上キューブ型移動ロボット「toio™」※を使用。これは、AGV(無人搬送車)を模した群制御の実践に適した教材で、学生たちはこれを駆使して複雑なシステムの統合に挑みました。約30名の学生たちが10のグループに分かれて、半年をかけて試行錯誤を繰り返しながら課題を解決するロボットシステムを構築し、開発したシステムについて発表を行いました。
発表会には、産業用ロボットを開発している企業関係者も多数来場し、現場目線でのコメントやアドバイスを通じて、実践的な議論が展開されました。学生にとっても、大きな学びと刺激を得る貴重な機会となりました。
※https://www.tokyo-ct.ac.jp/news/20240718_01/