髙原 茉莉 助教の論文がChemistry - A European Journal誌のInside Cover Pictureに選ばれました

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 本校の髙原助教(物質化学コース)と九州大学の神谷教授、後藤教授との共同研究論文「Enzymatic Cell‐Surface Decoration with Proteins using Amphiphilic Lipid‐Fused Peptide Substrates」が高く評価され、Chemistry - A European Journal 誌 2019年25号(17 April 2019, issue 25)の Hot paper に選出されるとともに、研究概要を示したイメージ図が Inside Cover picture に採用されました。
 細胞表面では生命活動維持に重要な反応が行われています。その反応の一つ、タンパク質への脂質修飾は、細胞膜界面で動的に起こり、脂質化タンパク質が細胞表面を刺激することで、細胞の増殖・分化を制御しています。このため、細胞の生理機能及び疾病機構解明を目的として多数のタンパク質脂質修飾技術が報告されています。
 本論文では、細胞膜近傍、即ち、in situ (その場) なタンパク質への脂質修飾反応、続いての脂質化タンパク質の細胞膜へのラベルを再現する革新的な修飾法を提唱しました。反応のポイントは、細胞外(水相)と細胞膜(油相)に作用できる分子、即ち親水基と疎水基を併せ持つ、両親媒性ペプチドを酵素の基質とすることです。酵素はペプチド基質と特定のタンパク質部位を選択的に反応させて連結することが可能です。
 そのため、細胞が含まれる溶液中に、両親媒性ペプチド基質、目的タンパク質 (蛍光タンパク質)、酵素を混合するだけで、細胞外に遊離した両親媒性ペプチド基質に蛍光タンパク質が酵素により連結され、付加した両親媒性ペプチドの疎水基により蛍光タンパク質が細胞膜へ係留します。
 以上のように、両親媒性ペプチドと酵素を用いることでin situな細胞膜への蛍光タンパク質ラベルを達成し、Cover pictureではその様子を示しています。本研究成果は、細胞表面のタンパク質ラベル、機能化だけでなく、細胞膜同様の油相からなる親油性薬剤へのタンパク質修飾技術への応用が期待されます。
Link : 九州大学 後藤・神谷研究室

  <掲載論文> Chemistry - A European Journal
  <掲載内容> Inside Cover Picture
  <発表雑誌>
  雑  誌  名 : Chemistry - A European Journal
  タイトル : Enzymatic Cell‐Surface Decoration with Proteins
  using Amphiphilic Lipid‐Fused Peptide Substrates
  著  者 : Dr. Mari Takahra, Dr. Rie Wakabayashi, Naoki
  Fujimoto, Dr. Kosuke Minamihata, Prof. Masahiro Goto, Prof.
  Noriho Kamiya
  論文情報 : DOI: 10.1002/chem.201900370