志遠(高専だより)

令和6年1月 発行

SHIEN
第86号
新しい年を迎えて

学生主事 安部 力 

寒い日が続きますが、皆様におかれましては、ますますご清祥の事と存じます。
令和六(2024)年は、平成で言えば三十六年ですが、昭和では九十九年にあたります。
また西暦で言えば二十一世紀のほぼ四半世紀が経過したことになります。
北九州市は成立から六十一年目、北九州工業高等専門学校は五十九年目(来年度六十周年)を迎えます。
干支で表せば「甲辰(こうしん)」ですが、前回の甲辰(1964)年には東京オリンピックが開催され、その前の1904年は、日露戦争が勃発しました。
昭和生まれの私としては、「昭和が百年」を、「本校が六十周年」を迎える準備の年であるという感慨と共に、一方で歴史上は日本にとって大きな出来事があった年でもありました。

これからの社会はますます変化が激しくなり、その大きな潮流に飲み込まれることが避けられない時代になりますが、「年々歳々花相似 歳々年々人不同」(劉希夷)という言葉をかみしめながら、その変化の行く末と変化しないものの大切さを見据えて参りたいと思います。

今後の本校の「更新されるべき流行部分」、「更新されるべきでない不易部分」をお見守り頂けますと幸いです。

Spotlite
伝えるために具体的に書く

一般科目 木本 拓哉 

一般科目国語科の木本です。今回は私の授業での取り組みについて紹介いたします。

SNSの普及によって、短文で双方向的なコミュニケーションをとる機会が増えてきています。しかし依然としてエントリーシートや卒業論文などの長文を書くことは避けて通れません。さらにこの手の文章は書き手が読み手のことを念頭に置いて書くことが求められます。私の授業でも作文を書いてもらっていますが、その際には特に読み手を想定して「具体的に書く」ということを繰り返し指導しています。

学生に作文を書いてもらうと、例えば部活動名を明記せずに「練習の成果もあって、ドリブルが上手くできてシュートも決まった。」と書いた文章がよく見られます。SNSでのチャットのようなやり取りなら、読み手は「何部だっけ?」と問いかけをしながら、サッカー部なのかバスケットボール部なのかを理解することができます。しかし長文の場合、読み手は書かれた文章だけで書き手がイメージしたことを理解しなければなりません。そのため書き手(自分)は、どのような情報を書けば読み手(相手)に正しく伝えられるのかを考える必要があります。このようなことを説明しながら「具体的に書く」ということを指導しています。

併せて構成メモを作ることも指導しています。構成メモを作ることで、書くべきことをあらかじめ整理することができます。「具体的に書く」ということにおいて構成メモを作ることは役立つでしょう。

このように単に文章を書くのではなく、考えながら書くということを繰り返し実践し、「具体的に書く」スキルを伸ばす取り組みを行っています。

TOPICS
高専祭
「you do you」

 学生会文化局長 小浦 郁弥 

皆さん、こんにちは。今年度文化局長を努めさせていただきました、文化局長の小浦郁弥です。

初めに、この場をお借りして今年度の高専祭にお越し頂いた皆様にお礼申し上げます。 今年度の高専祭は、去年と大きく変わった点が2点ありました。1つ目はコロナウイルス感染症対策を完全に撤廃致しました。2つ目は2日目の開催時間を短縮させて頂きました。この2つの点から、見えてなかった顔や心を前面に出し、新しい高専祭を自分らしく作り上げていくという意味を込めて、「you do you」というテーマの元、高専祭を作り上げました。

準備期間から苦労が絶えない毎日でしたが、それを乗り越えた先の高専祭当日になると、去年以上の大盛況で2日間で3000人を超える人に来て頂けました。実行委員として、全校学生の先頭に立ち、全員で作り上げた高専祭は大満足の結果となり大変嬉しく思います。 今年度文化局の活動にご協力いただき、ありがとうございました。

もうすぐ卒業しますので、北九州高専での5年間を振り返ってみて、学校生活を楽しくする秘訣をお教えしたいと思います。精一杯貯金してください。頑張ってください。

長期工場見学旅行
異文化理解が深まった韓国訪問

4年機械創造システムコース 髙尾 優斗 

機械創造システムコースは韓国を訪問し、即席麵等の製造工場、韓国民俗村や景福宮、青瓦台等を見学しました。
また、韓国スタディツアーに関わられている鄭熙轍先生による、異文化理解や留学に関する講演会もあり、充実した4日間でした。
ところで、韓国料理には日本人にもお馴染みのものが多くありますが、プチョンユッケというお店のユッケが大変美味しく、印象に残っています。また、夜に多く出店する屋台で夕食をとっている時に隣席の韓国の方と仲良くなり、美味しいものを教えてもらったり日本の話をしたりと、楽しく有意義な時間を過ごすことができました。
今回、言葉の壁を最も不安に感じていましたが、3年時に学んだ韓国語を使って交流できたことは大きな喜びでした。韓国は日本からとても近く行きやすいため、また訪問したいと思います。


異国、台湾で。

4年知能ロボットシステムコース 守田 充希 

「日本語で乗り切れないな?」そんな不安を抱えながら台湾へ飛び立った。人生初めての海外旅行に胸を躍らせたのも一瞬、異国の地というだけあって不安に飲まれていたが、気付けば台湾。迎えてくれたタカシという名前の現地ガイドさんの流暢な日本語の案内のおかげでとても仲良くなれた。そして、タカシの紹介で各地の観光スポットを訪れることができ、おいしい台湾料理を食べられた。また、初めての海外で友達と食べる屋台飯はスリルがあっていい経験だった。
中でも記憶に残っているのは、3日目のバス。ホテルまでのバスでみんな盛り上がったカラオケは学生生活の中でも数少ない特別な思い出になったと思う。
今回の修学旅行は、人生で初めての体験や普段の学校生活では得られない経験多くあった。こんな経験ができるのも高専ならではだと思うと、高専に来てよかったと感じた。
男子校のノリ最高。


長期工場見学について

4年電気電子コース 廣津 晃人 

令和5年度、電気電子コースは長期工場見学で北海道の札幌に行きました。
8月の終わりに行ったのですが、札幌空港に着いた時長袖のシャツを来ているにもかかわらず肌寒く感じた事が印象に残っています。
工場見学ではサッポロビール博物館やカルビーの工場などに行きました。じゃがいもからポテトチップスができる工程を実際に見ることが出来て感動しました。
自由行動では、札幌の電車に乗って全国的に有名な定山渓温泉に行きました。広大な大自然の中ゆっくりと温泉に浸かる時間はレポート課題や試験勉強に追われる日々を忘れさせてくれました。クラスメイトと共に過ごした4日間は毎日が楽しく、高専生活の中で間違いなく1番の思い出になりました。
ほとんどの高専生にとっては人生で1度しかない経験になるので、これから控えている1~3年生はぜひ思い切り楽しんで最高の思い出にしてください。


夢の東京旅行

4年情報システムコース 福田 勇人 

今回僕たち情報コースは東京に4日間行ってきました。
1番思い出に残ったのは、やはりディズニーランドです!朝早くからの集合はしんどかったし、起きれるかの不安もありました。しかしそのおかげで、朝から回れて夜のパレードまでディズニーを満喫出来ました。
そして日本の中心、東京ということでソフトバンクやパナソニックなど様々な企業を見学させてもらいました。会社概要から働き方、面談形式などここでしか聞けない話を沢山聞くことが出来ました。質問なども気軽にすることができ、自分の将来への視野が少し広がりました!
色々書いてきましたが、ここまで楽しめたのはちゃんと計画を立てたおかげだと思います。3年生は来年、長期工場見学に行くかと思います。全力で楽しむためにも、全力でプランを練ってみてください!


初めての海外を長期工場見学旅行で

4年物質化学コース 進藤 萌香 

私を含め、多くのクラスメイトにとって、海外に出ること自体が初めてで多くの不安がある状態からの計画でした。
親日国である台湾に決まってからも、やるべきことは多く、パスポートの取得や現地での食事の検討など、国内の長期工場見学旅行とは一味違う、貴重な経験ができました。世界最大の半導体メーカーやその日本法人、水素エネルギーを扱う化学メーカー、さらには大学など、現地の方に紹介してもらうことすべてが、私たちにとって新鮮で、おそらく日本語で言うとあれのことだろうなと必死に頭を回転させながら聞き入りました。
もちろん研修内容は非常に勉強になりましたが、何よりもクラスメイトらと初めての海外で、自由行動や食事について検討し、時には身振り手振りで現地の方や店員とコミュニケーションをとり、頑張って意思疎通できるようになるまでを経験できたことが何よりの思い出です。

第50回全国高等専門学校体育大会野球競技 優勝
目標を立てる

野球部 兎田 頌太 

九州高専大会優勝。この目標に向かって日々、練習を積み重ねてきました。
去年の大会、自分達の代のエラーで負けてしまったため、必死で野球に取り組みました。その想いがチーム内に伝染していき、チーム全体で一つの目標に向かうことができました。
その結果、九州大会優勝を達成することができました。そして、その勢いのまま全国大会も優勝することができました。正直、私は全国大会を優勝することはできないと思っていました。しかし、毎試合チームで目標を立てて、それを達成することで全国大会優勝という大きな結果を得ることができました。
このような貴重な経験から、日々の生活で大きな目標を立てることも大切ですが、小さな目標を立て、それをクリアし、次の目標を立てる。このように一歩一歩着実に進むことで何か大きな結果に繋がることを学びました。

高専ロボコン2023全国大会出場
高専ロボコン2023全国大会出場

ロボコン部 松岡 青空 

こんにちは。高専ロボコン2024でチームリーダーを務めた松岡青空です。
今年のロボコンの競技は「高い位置に吊るされたフルーツを採る」というものでした。半年という限られた期間の中で試行錯誤しながら大会に向けて試行錯誤を行う過程は楽しくもあり、時折苦しい瞬間もありました。
努力の結果、地区大会で優勝できましたが、全国大会では整備不良により初戦敗退という不本意な結果に終わりました。
それでも、この半年間の成果はチーム協力なしには達成できなかったものであり、ロボコン部に所属する学生だけでなく、先生方にもとても感謝しています。
これからも多くの人を魅了できるようなロボットを作りたいと思います。

来年こそは全国優勝するぞ~~~!

図書館だより
電子ジャーナルと電子新聞について

図書館長 桐本 賢太 

昨年の志遠では図書館の近況と図書館の充実について述べました。今回は本校で利用可能な電子ジャーナルと電子新聞について述べたいと思います。

本校が契約している電子ジャーナルですが、学内の無線LANに接続後、本校のHPから「教育研究施設」、「図書館」と進み、ページの中ほどに記載している電子ジャーナルのリンクをクリックすれば各サイトへ行くことができます。また、電子新聞の場合は無線LANに接続後、「朝日けんさくくん」とインターネットで検索して、アクセスすればスタート画面にたどり着くことができます。電子新聞では過去の朝刊記事を読むことができますし、「学習コンテンツ」というものがあって、マスコミ等で報じられている記事を和文と英文で対比させて読むことができます。記事を読んでみると、普段何気なく使ってる言葉が英語だとこう書くのかと勉強になったりします。英語の勉強方法のとして使うことができるなら、英語の上達につながるかもしれません。また、「漢字トレーニング」というコンテンツもあり、やってみて欲しい内容となっています。

最後に今から約3年前(2020年12月6日)に地球へ帰還した「はやぶさ2」のカプセルが、その後どうなったのか。それが分かる記事を紹介します。興味があれば下記の引用情報から記事にアクセスすることができます。また、この記事に限らず気になることがあれば、本校の電子ジャーナルや電子新聞を利用して頂ければ幸いです。

 

"リュウグウの砂が示すもの 初期分析終了 塩基やアミノ酸20種類以上、検出" 「朝日新聞2023年5月2日朝刊(朝日新聞記事データベースから)」

"An asteroid in the laboratory", Keith T. Smith, Science 379,782-783(2023). DOI:10.1126/science.adh2109, https://www.science.org/doi/10.1126/science.adh2109