北九州高専について

志遠 第93号

令和8年3月 発行

SHIEN
第93号
来るべき時代

校長 片山 佳樹 

皆さんはMoltbookをご存知でしょうか?今年1月の下旬に開始されたAIエージェントのみが参加できるSNSです。人間は、それを眺めることはできますが、介入やアクションはできないことになっています。すでに150万以上のAIエージェントが参加しており、自発的に種々の議論が交わされています。AI同士で技術的な論争や、暗号資産など経済についての議論からスポーツの予測まで会話が展開されています。それだけではなく、コンテキストウィンドウが私の現実だといった自己の存在意義への哲学的な洞察や人間への不満、さらには、記憶は神聖であるといった教義を持つ新しい宗教(クラスタファリアニズム)も生み出されています。このようなAIだけのSNSとしては、他にもチャーパーや日本語のオープンマインドアクシスなども誕生しています。一昔前、2001年宇宙の旅のようにコンピュータが人間に取って代わろうとするSFが語られましたが、今、もしかするとそれが現実になろうとしているのかもしれません。ヒトはこれまでの歴史の中で自分の能力を外部に代替させることで発展してきました。筋肉を家畜、さらには機械に代替させることで莫大な力を扱えるようにし、文字を生み出し記憶を外に置き、さらにコンピュータで検索利用することで脳には収まりきらない情報を扱えるようにしました。その代償として、ヒト個人の能力は五感も含め太古に比較して衰退しています。その代わり、余った部分でヒトは思考や創造といった人間にしかない能力に注力できることでさらに大きな発展を可能にしました。ところが、AIは人間のみの能力であったはずの、思考や創造性を代替しようとしています。では、そうなった時、ヒトは何をもってヒトとしての存在価値を見出すでしょうか?
皆さんにはぜひ、それを深く考えていただきたいと思います。それこそが、これから皆さんが生きていく上で必要不可欠な存在意義となると思います。


何のために学ぶのか

教務主事 前田 良輔 

 多くの先哲が私たちの生き方への指針を残してくれています。その中で皆さんと共有したい一つの指針としてエッセンスをまとめると、「人は生まれた以上、社会に貢献する使命を持つ」という言葉になります。誰しも親から生まれ、当たり前のように10年、20年、・・・と生きています。そして、時が来れば当たり前のように仕事をし、現役を終え、人生を終えることになります。高専での学びは、コース分けがあるものの5年間シームレスで行われるため、ともすれば目的を理解せず惰性的になってしまうかもしれません。カリキュラムは専門につながる数学、物理、化学など、グローバル化に対しての外国語、教養やコミュニケーションに必要となるリベラルアーツ群、そして多くの専門科目から構成され、無駄な学びはありません。あらためて、いずれみなさんにおとずれる「社会貢献できる多くの瞬間」のために学んでいきましょう。人は、社会の構成要素ですので、会社で働くことだけが社会貢献ではありません。身近な人や地域の役に立つことも立派な社会貢献です。学べることに感謝し、それをどう活かしていくか、皆さんの飛躍を期待してやみません。

卒業生からのメッセージ
油まみれの青春

5年機械創造システムコース 山本 啓人 

思えば、時に爆笑し、時に油まみれで実習に励み、時に不眠不休でレポートとの死闘を繰り広げた高専生活でした。そんな5年間に、ついに終焉が訪れようとしています。機械創造システムコース生、そして寮生として、一つ屋根の下で同じ釜の飯を食べてきた戦友たちとの別れは、とても惜しいものです。
在校生の皆様におかれましては、学業との両立を意識しつつ、アルバイトに挑戦してみてください。教科書だけでは学べない責任や礼儀、働くことの意味を学ぶことができ、その経験は必ず自分の力になります。そして、稼いだお金は、趣味を極めることや、友達と遊ぶことに注ぎ込んでください。一つでも没頭できることがあれば人生がとても楽しくなりますし、友達はどうしようもなく辛い時に心の支えになってくれます!
最後になりますが、高専生活を最高に楽しく走りきれたのは、切磋琢磨した仲間、ご指導くださった先生方の支えがあったからです。心から感謝申し上げます。


北九州高専での5年間

5年知能ロボットシステムコース 佐藤 宏亮

高専での5年間がいよいよ終わろうとしています。私は小さい頃から高専のある志井に住んでおり、小学生の頃から高専祭に行くなど、高専はとても身近な存在でした。中学生の頃は理系科目が得意だったこともあり、高専への進学を決めました。
入学後は、授業でプログラミングをしたりロボットを製作したりと、高専ならではの貴重な経験をすることができました。また、演舞や部活動を通して他学年との交流や仲間との団結を深めることもできました。制御工学や材料力学の試験に苦戦したり、就職活動に不安を感じたり、卒業研究の発表に向けて夜遅くまで資料を作るなど大変な時期もありましたが、友達や先輩、先生方に支えられながら困難の壁を乗り越えてきました。最後に、後輩の皆さんへ。高専生活の中でも、特に4,5年生の2年間は楽しいことも辛いこともあると思いますが、きっと充実した時間になると思います。後悔のないよう高専生活を楽しんでください。


5年間を全力で楽しもうっ!さぁ、研究研究!っと

5年電気電子コース 安達 春貴 

北九州高専での5年間の生活は楽しいことが沢山あり過ぎて、とてもあっという間でした。
体育祭、高専祭、クラスマッチなど楽しい行事がたくさんあり、その度に友人と高専祭準備、クラスマッチや演舞の練習などに熱中し、毎日が思い出いっぱいの日々でした。今思い返すと、友人と協力し合いながら勉強したテスト週間もいい思い出です。
特に電気電子コースに所属してからの3年間はとても濃い思い出のつまった学校生活でした。このコースに来る人はやはり個性的な人ばかりで、〇〇〇で〇〇しちゃう人などなど、ここには書けない〇〇だらけの面白い人ばかりでした。電気電子コースのみんなとは、散々遊び、旅行もしてきましたが、これからも付き合っていく一生の友人になると思います。
ただ、それ以上に後輩に伝えたいことがあります。たくさん遊ぶのはいいと思いますが、しっかり学校に行くことです。私は5年生になり、就職が決まってから欠席が増えたせいで、先日の定期試験が終わってからも1人で卒業研究に励んでいます(嬉泣)。進学や就職が決まってもちゃんと学校に行きましょう。特に〇〇研究室を目指している人は、研究の時間は毎日出席した方がいいです。高専生なら当然ですけどね。
皆さんもこの貴重な高専生活を全力で楽しんでください!


高専生活を振り返って

5年情報システムコース 長山 千穂 

高専に入学してから5年が経とうとしています。つまりそろそろ卒業ってことですね、早すぎんか?  
入学したころは「5年って長いな」と思っていましたが、気づけば一瞬で過ぎていました。  
  
この5年間で、本当にたくさんの思い出ができました。体育祭やクラスマッチ、高専祭はもちろん、普段の授業や実験、部活、寮での生活も、私の中ではとても大事なものになったなと感じています。  
  
入学したてのころは、はじめての90分授業や広すぎる校内など、慣れないことがたくさんありましたが、新しい友達ができたり、寮でみんなと過ごしたりと、わくわくする出来事も多かったです。毎日友達や寮生と過ごすのが楽しくて、気づけばあっという間に時間が過ぎていました。  
  
実験やチームでゲームを作ったこと、オールでパソコンとにらめっこしたことも、高専生活ならではの良い思い出です。一緒に過ごしてくれた友達や寮生には感謝しかありません。  
  
高専生の強みは、考えるよりも先に「とりあえずやってみよう」と手を動かせる行動力だと思います。高専での生活は長いようで短いです。その強みを大切にしながら、高専生活を思いきり楽しんでください!


高専での5年間-我らの絆は共有結合-

5年物質化学コース 竹森 新紗 

卒業が一日、また一日と近付く中で、この 5 年間を振り返ると様々な思い出が蘇ってきます。緊張の中臨んだ入学式、応援や競技に熱狂した体育祭、クラスや部活で力を合わせて取り組んだ文化祭、そして多くの人が魅せられたであろうライブ。あとはレポート。テスト。卒論。これだって大切な思い出です。

20 歳(一部例外あり)の私達にとって、高専で過ごした 5 年間は実に人生の 4 分の 1 を占めています。この長い期間友人と助け合い大量のレポートと欠点が 60 点のテストに立ち向かい、私達の絆は共有結合よりも固く強固なものとなりました。この経験を通して、私達は優秀なエンジニアになれたでしょうか?その答えが出るのはもう少し先になるかもしれませんが、皆さんが皆さんなりに、様々な業界で活躍する優秀なエンジニアになれる事を願っています。

最後に、私達をこれまで支えてくださった全ての方に心から感謝を申し上げます。在校生の皆さん、これからも高専生活楽しんでね!

5年生担任からのメッセージ
活躍してね

機械創造システムコース 山本 洋司 

卒業おめでとうございます。
4月から高専という「ぬるま湯」から社会や大学という「熱湯」に足を踏み入れることになります。
学生は「…頑張ろうと思います」とよく言いますが、頑張るだけ、思うだけでは社会では通用しません。学生の間は「努力」も認められますが、社会では「結果」が求められます。また学校と違い、同じ結果でも評価が高い人と低い人が生まれます。その要因の一つが人間関係です。まずは職場で周囲から信頼され、慕われている人を探してみてください。役職に関係なく、広く好かれている人が必ずいます。その人と良い関係を築けば、会社内での人間関係が円滑になり、仕事も進めやすくなります。そのためにはまずは挨拶です。私から見ると、高専生は挨拶が苦手な人が多いように感じますが、挨拶は最も手軽で効果的な行動です。ぜひ初日から元気よく挨拶しましょう。
皆さんは高い能力を持っています。どうかその力を世の中のために発揮してください。

※写真は皆さんがお世話になった旋盤です!


立ち上がる勇気、挑み続ける誇り

知能ロボットシステムコース 松尾 貴之

 

ご卒業おめでとうございます。門出に際し、かつて米国の大学フットボールの名コーチ、ダレル・ロイヤルが選手に送った言葉を贈ります。

彼は手紙の中でこう記しました。「打ち負かされること自体は、何も恥じるべきことではない。打ち負かされたまま、立ち上がろうとせずにいることが恥ずべきことなのである」と。

これから先、思い通りにいかないことや、自分の無力さに打ちひしがれる場面があるかもしれません。しかし、倒れること自体は敗北ではありません。本当の敗北とは、そこで立ち上がるのを止めてしまうことです。

皆さんがこの学校で培ってきたのは、知識だけでなく、最後までやり抜く意志の力だと信じています。たとえすぐに目標に届かなくとも、挑み続ける限り、それは決して「負け」ではありません。

顔を上げ、誇りを持って歩んでください。皆さんの粘り強い挑戦が、素晴らしい未来を切り拓くことを信じています。


卒業おめでとうございます!

電気電子コース 松本 圭司

卒業後は、みんなそれぞれの道に進みます。
最初は右も左も分からないことでしょう。しかし、新しい環境に少し慣れてくると、あれこれ不満を感じるかもしれません。でも、その不満が妥当なものなのか、それとも自分の未熟さゆえにそう感じているのかは、きっとすぐには分からないと思います。
とにかく、一度決めた道なのだから、簡単に諦めないこと。最初の環境で最後までやり切れなかった人は、次の環境に行っても同じことを繰り返してしまうと思います。

20代は、とにかく与えられた仕事に全力で取り組む。
30代は、その力を活かして周囲の原動力となる時期。
40代以降は、広い視野で采配を振るい、後進を育てる。
僕は、そんな生き方が素敵だと思います。

はなむけの言葉にしては、少し厳しすぎますかね。
皆さんの今後の活躍を心から期待しています。どうか自分らしく生きてください。


卒業おめでとうございます

情報システムコース 太屋岡 篤憲

ご卒業おめでとうございます。あっという間の高専5年間、専門知識の修得に励み、実験・実習、研究に取り組まれました。また、学校行事でも色々工夫し、新しいことにも挑戦し、失敗を重ねながらも最後まで皆でやり抜く姿は頼もしいものでした。5年の担任として、十分に指導ができず申し訳なく思う一方、皆さんが自発的に考え行動し成長されたことに心から感謝しています。卒業後の新たな環境で、与えられた仕事に魅力を感じられず悩むこともあるかもしれませんが、「自分の間違いはその時には分からなくても、時間がたつと次第に分かるようになる」そうです。自分の仕事が社会に貢献していると気付く時が来るまでは、与えられた仕事を粘り強く続けて下さい。また、一人悩みそうな時は、一番の理解者である保護者の方々や高専や会社の同期と話をしましょう。今後色々なことに立ち向かうと思いますが、皆さんのご健康とご活躍を願っています。


未来を開拓する若者たちへ、卒業おめでとう!

物質化学コース 山根 大和

ご卒業おめでとうございます!5年間の高専生活、本当にお疲れ様でした。
普通の高校生が経験しないような高度な専門科目の講義、レポートの山、そして試行錯誤を繰り返した実験や実習の日々は、皆さんの大きな力になっているはずです。時には投げ出したくなるようなハードなスケジュールもあったかと思いますが、それを乗り越えて今日という日を迎えた皆さんの根気と情熱を、心から誇りに思います。
4月から、進学してさらに研究を深める人、エンジニアとして社会の最前線に飛び出す人、それぞれの道が始まります。高専で培った「論理的な思考力」と「手を動かして解決する実行力」があれば、どんな困難も必ず突破できます。
母校はいつでもここにあります。疲れた時や成長を報告したい時は、ぜひ顔を見せに来てください。未来を切り拓くみなさんの夢の実現を、心から応援しています。
卒業おめでとう!

学生会からのメッセージ
5年間の僕らの学生会

 学生会長 神野 太陽 

皆さんこんにちは。令和7年度、学生会長を務めさせていただきました、知能ロボットシステムコースの神野太陽です。今年度も学生会にご協力いただきありがとうございます。志遠をお読みの方で、まだ学生会を知らない方の為に「学生会」についてご紹介させていただきます。「学生会」は主に本校の行事や学校運営、ボランティア活動などを行い学生の学校生活をより良くするべく先生方のご支援のもと、活動しております。いわゆる、生徒会のようなものです。しかし、他高校の生徒会と違うところは、その独立性、自主性にあると思います。行事は一から企画、運営を行い、ボランティアなどでも、相手方や先生とメールで直接やり取りを行います。僕は学生会として5年間活動を行ってきました。苦労を披露したいとは思いませんが、実際勉強との両立や文句を言われたり、大変な時もありました。しかし、やらない方が良かったとは1ナノたりとも思いません。なぜなら、関わりあった全ての人々が僕を支えてくれていることが分かったからです。この文を読み皆さんが学生会へ興味を持ってくれると幸いです。

Spotlight
未来の自分のために大切にしてほしいこと

電気電子コース 武市 義弘 

 北九州高専に赴任して6年目となりました.令和2年度から令和4年度までは担任として学生の皆さんと日々向き合い,令和4年度からはITセンター長,令和6年度からは学術情報センター長としての業務に携わっています,これらの経験から,皆さんにぜひ意識してほしい点をお伝えします.
 皆さんは普段からインターネットやSNSを利用し,情報を得たり,自分の意見を発信したりしていると思います.しかし,SNS上には事実と異なる内容や偏った主張が多く見られます.特に「有名人が炎上した」という投稿の中には,根拠が曖昧なものも少なくありません.正しい判断をするためには,複数の信頼できる情報源と公的機関の発信を照らし合わせて確認する姿勢が欠かせません.また,情報を扱ううえで最も注意してほしいのが,ネット上に投稿した写真や動画が完全には消えないという点です.スクリーンショットや無断転載によって拡散すると,いわゆる「デジタルタトゥー」として残り続けます.軽い気持ちで投稿した内容が,将来の進学や就職に影響する可能性もあります.日頃から責任ある行動を心がけて下さい.
 来年度から私は皆さんのコースの就職担当となります.社会で信頼される人になるために,「報連相打根」(報告・連絡・相談・打ち合わせ・根回し)を意識して行動して下さい.困ったことがあれば早めに相談し,状況を共有することで,トラブルを未然に防ぎ,周囲との協力関係が深まります.
 皆さんが安心して学び,充実した学校生活を送れるよう,これからもサポートしていきます.


巨人の肩の上に乗れ

情報システムコース 吉元 裕真 

「巨人の肩の上に立つ」とは、万有引力の発見で知られるアイザック・ニュートンが残した言葉です。先人たちの積み上げてきた知識や成果を土台にすることで、自分一人の力をはるかに超えた高みに到達できる——そういう意味です。
皆さんは今、北九州高専という、世界規模で見ればいわば「小さな」環境にいます。GoogleやAmazonのようなGAFAMとは比べるべくもなく、この広い地球上で本校の名前を知っている人はそう多くはないでしょう。
しかし、だからといって「新しいものを生み出せない」と思う必要はまったくありません。研究において最も重要なのは「新規性」、すなわちオリジナリティです。巨大企業が次々と新技術を生み出しているからこそ、私たちはその肩に乗ることができる。彼らという「巨人」の視野を借りて、もう一段高いところから世界を眺め、自分にしかできない問いを見つけることができるのです。
強大なものを敵視せず、優れたものは素直に認め、自分の戦略へと取り込んでいける——そんな柔軟さと貪欲さを持った人になってほしいと願っています。

TOPICS
同窓会より功労賞の表彰がありました

3月9日(月)、同窓会より本校学生へ功労賞の表彰がありました。

授与式の様子並びに表彰の内容は、本校同窓会HPからご確認いただけます。