物質化学コースの永田康久特命教授が繊維学会論文賞を受賞しました。受賞対象となったのは、昨年10月に同学会論文誌に掲載された「繰り返し使用可能な炭素繊維を再生する新しいリサイクルプロセスに関する研究」です。
炭素繊維は軽くて強い材料であり、プラスチックと混ぜた炭素繊維強化プラスチックは、航空機や自動車,スポーツ用品を始め様々な用途において利用されています。しかしながら、炭素繊維のリサイクルについては、決定打となる技術が確立されてきませんでした。上記論文では、硫酸の電気分解により生成した電解硫酸を用いてプラスチックを分解すると、炭素繊維の性能を劣化させることなく回収できることが述べられています。このプロセスは、資源の有効活用だけでなく、炭素繊維の生産コストの削減にも大きく寄与するものです。持続可能社会の実現に貢献する技術として、今後の更なる進展が注目されます。